医学教育研究者・総合診療医のブログ

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"Important but risky": attitudes of global thought leaders towards cost and value research in health professions education (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Cleland JA, Cook DA, Maloney S, Tolsgaard MG. "Important but risky": attitudes of global thought leaders towards cost and value research in health professions education. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Jun 16. Epub ahead of print.

背景:コストと価値の研究は、教育の意思決定に役立つものだが、そのような研究を阻むものについての理解は不完全なものである。このギャップを埋めるために、我々はHPEのグローバルソートリーダーのコストと価値の研究に対する姿勢を調査することを目的とした。

方法:この研究は、constructionismに基づく質的バーチャルインタビュー研究である。2018年から2019年にかけての電話またはビデオ会議によるインタビューで、世界の医療専門家thought leadersに、HPEのコストと価値の研究に関する見解、この分野における未解決の研究課題、これらの課題に取り組むことが重要である理由などを尋ねた。分析は帰納的かつテーマ別に行い、オリジナルのインタビュー対象者のレビューとコメントを取り入れた(メンバーチェック)。11人のオピニオンリーダーにインタビューを行い、そのうち9人からデータの解釈について後日フィードバックがあった(メンバーチェック)。

結果:4つのテーマが明らかになった。「コスト研究は本当に重要だが、潜在的にリスクがある(コストの定量化と報告は意思決定のための証拠を提供するが、説明責任の増加と自律性の喪失につながる可能性がある)」「知識やスキルがない(経済リテラシーの欠如)」「私が教育研究に入ったのはそれが目的ではない(プロフェッショナル・アイデンティティ)」「一般化できる知見を生み出すのは難しい(文脈の重要性)」である。

結論:本研究は、HPEのグローバルなthought leadersの意見を取り入れることで、コストと価値の研究についての文献におけるより幅広い議論に貢献するものである。我々の発見は、HPEにおける有意義で受容可能かつ適切なコストと価値に関する質問をし、それに答えるプロセスにおいて、教育者と研究者をどのように関与させ、力を与えるのが最善であるかの洞察を与えるものである。