医学教育研究者・総合診療医のブログ

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The effect of the attitude towards risk/ambiguity on examination grades: cross-sectional study in a Portuguese medical school (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2024)

Leite-Mendes F, Delgado L, Ferreira A, Severo M. The effect of the attitude towards risk/ambiguity on examination grades: cross-sectional study in a Portuguese medical school. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2024 Jan 15. Epub ahead of print.

背景:医学教育において、多肢選択式試験や公式採点が広く行われていることから、いくつかの研究では、学生の回答パターンに影響を与える、学生の知識程度に加えて他の要因を特定することが試みられている。本研究では、学生のリスクや曖昧さに対する態度が正答数、誤答数、空欄数に及ぼす影響を測定することを目的とする。

方法:2018年10月、ポルトガルポルトにあるポルト大学医学部の医学部3年生233人が、学生のリスクや曖昧さに対する態度、医学における曖昧さに対する嫌悪感を評価する質問票に回答した。単回帰モデルおよび重回帰モデルとそれぞれの回帰係数を用いて、学生の態度と2018年6月に受験した2つの試験の解答との関連を測定した。

結果:医学に対する曖昧さ嫌悪のレベルが非常に高いか低いかではなく、中間のレベルであることは、1回目の試験において、正答数の有意な増加および空答数の減少と関連していた。2回目の試験では、医学における曖昧さ嫌悪の高さは、誤答数の減少と関連していた。リスクに対する態度、曖昧さ耐性、性別は、いずれの試験においても正答数、誤答数、空所補充数と有意な関連を示さなかった。

結論:医学における学生の曖昧さへの嫌悪感は、否定的な採点を伴う多肢選択式試験の成績と相関している。したがって、曖昧さ嫌悪が否定的採点を伴う多肢選択式試験の成績に及ぼす可能性のある影響について、医学生を対象としたカウンセリング・セッションを計画・実施することが示唆される。