医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Predominant aspects of knowledge and practical skills among medical students with online learning during the COVID-19 pandemic era (Med Educ Online 2023)

Visuddho V, Nugraha D, Melbiarta RR, Rimbun R, Purba AKR, Syafa'ah I, Bakhtiar A, Rejeki PS, Romdhoni AC. Predominant aspects of knowledge and practical skills among medical students with online learning during the COVID-19 pandemic era. Med Educ Online. 2023;28:2182665.

背景:COVID-19パンデミックによる社会的制約から、学習方法の多くがオンラインコースに移行し、特に医療技術教育が注目されている。しかし医学生の医療技術教育に対するオンラインコースの効果については、まだ議論の余地がある。本研究では、医学生の医療技術に関する知識、態度、実践、満足度について、オンラインコースとオフラインコースで分析することを目的とする。

方法:医学生533名を対象に、オンラインコース(ケース群、n = 288)とオフラインコース(対照群、n = 245)で実施したケースコントロール研究である。評価項目は、病歴聴取(HT)、肺身体診察(LPE)、心臓身体診察(HPE)の3つの基本的な医療スキルである。理論試験と実技試験により、学生の知識と技能をテストした。また、学生の意識と満足度については、有効な質問票を用いて評価した。

結果:オンライン版では、知識、技能のスコアが有意に高かった(それぞれp = 0.016, p = 0.004).一方、受講者の態度や満足度については、対照群と比較して大幅に低いスコアとなった(それぞれp = 0.000, p = 0.003)。両群の学生のほとんどが試験に合格した(ケース vs. コントロール = 81.94%; 83.27%)。男性は、試験の合格率の高さと関連する唯一の要因であった(OR 0.42, 95% CI [0.27-0.67], p = 0.000)。

結論:オンライン学習は、特にCOVID-19パンデミックのなかで、学生の医療技術に対する知識と実践を向上させるための代替アプローチとなりうる。しかし将来の総合診療医として適切な能力を獲得するためには、学生の態度や満足度についてさらに検討することが必要である。