医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A Comparison of Online Self-Training and Standard Bedside Training in Lung Ultrasonography for Medical Students (Acad Med 2023)

Jedwab R, Boas S, Potashner D, Ostrovsky D, Wacht O, Taragin BH, Gat T, Dayan RR, Fuchs L. A Comparison of Online Self-Training and Standard Bedside Training in Lung Ultrasonography for Medical Students. Acad Med. 2023 Oct 6. Epub ahead of print.

背景:Point-of-care ultrasonography (POCUS)が医学教育に取り入れられる機会が増えている。従来、POCUSはベッドサイドでハンズオンアプローチを用いて教えられてきたが、コスト、時間、教員の都合、POCUSリソースへのアクセスなどの制約があった。医学教育がデジタル化されつつある昨今、著者らは医学生の肺POCUSのパフォーマンスと病理学的識別を比較し、オンラインによる自己学習型の肺POCUSモジュールを使用することが、従来のベッドサイドでの教員主導の肺POCUSトレーニングに劣らないかどうかを検証した。

方法:本研究では、2021年8月から10月にかけて、eラーニングによる肺POCUSコースを受講した医学生51人の成績を、従来のベッドサイドでの訓練と訓練なしで評価した。POCUSの学生は、病態を特定するためのシミュレーターの使用、肺エコー病理学的クリップを特定する能力、およびスキャン技術について採点された。

結果:eラーニング群では、標準カリキュラム群と比較して、総テストスコアの中央値(四分位範囲[IQR])が有意に高かった(15/18 [10.5-16] vs 12/18 [9-13]; P = 0.03)、スキャン技術スコアも有意に高かった(5/5 [4-5] vs 4/5 [3-4]; P = 0.03)。検査のクリップセグメントにおける精度の中央値(IQR)は、自己学習群では7.5/10(4–9)、標準カリキュラム群では6/10(4–7)であった(P = 0.18)。検査のシミュレーター・セグメントにおける評点の中央値(IQR)は、自己学習群では2/3(2–3)、標準カリキュラム群では2/3(1–2)であった(P = 0.06)。

結論:本研究は、自己学習による肺POCUSのeラーニングは、少なくともベッドサイドでの指導に劣らず、場合によっては肺POCUSの学習方法として優れている可能性さえあることを示唆している。この教育法POCUSは、医学生が肺エコー検査を学習するために実行可能であり、コストと人的資源を最小限に抑えながら、より多くの聴衆に到達することにより、従来の学習プロセスを補完または補強し、あるいはベッドサイド教育の必要性を排除または軽減する可能性がある。