医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Self-assessment of residents in breaking bad news; skills and barriers (BMC Med Educ 2023)

Mansoursamaei M, Ghanbari Jolfaei A, Zandi M, Mansoursamaei A, Salehian R. Self-assessment of residents in breaking bad news; skills and barriers. BMC Med Educ. 2023 Oct 6;23(1):740. doi: 10.1186/s12909-023-04720-4. PMID: 37803375; PMCID: PMC10559449.

背景:悪い知らせを伝えること(Breaking bad news; BBN)は医療において避けられないことであり、医師にとって最も重要かつ困難な専門的仕事の一つである。本研究の主な目的は、レジデントによるBBNの実践を評価し、BBNの実践に対する障壁を明らかにすることである。

方法:2021年に行われたこの横断研究では、内科、外科、救急科のレジデント240名が、人口統計学的質問票、ペルシア語のSPIKES質問票(P-SPIKES)、研究者作成のBarriers to Breaking Bad News (BBBN)質問票に回答した。さらに、これまでの経験、トレーニングの有無、BBNの能力レベルについても質問した。

結果:レジデントの46.5%および36.84%が、BBNおよびBBN中の患者の感情管理について、それぞれ「良い」または「非常に良い」と評価した。レジデントにとってBBNで最も困難な点は、動揺した情報を表現すること(78.1%)と、正直でありながら患者を失望させないこと(58.3%)であった。P- SPIKESのスコアの平均値と標準偏差は55.92±6.84であった。最も多かったSPIKES項目は、電話で悪い知らせを伝えない(98.9%)であった。SPIKESの総得点は年齢とのみ関連していた(正の関係)。BBNの障壁として最も多く報告されたのは、患者の感情をコントロールすることへの懸念(61%)と、患者や同伴者の攻撃性(52.6%)であった。参加者のかなりの割合が、訓練不足(28%)と技術不足(21.9%)をBBNの重大な障壁と認識していた。

結論:BBNにおけるレジデントのスキルは不十分な面もあり、研修期間中にBBNトレーニングコースを実施する必要性を指摘している。BBNはレジデントにとって難しい面もあり、レジデントは障壁を感じている可能性がある。既存の障壁を克服し、レジデントのBBNに対する自信を高めるために、研修教育カリキュラムやコミュニケーションスキルにBBNトレーニングを組み込むなどの戦略が推奨される。