医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Medical students' perception of general practice: a cross-sectional survey (BMC Med Educ 2023)

Pols DHJ, Kamps A, Runhaar J, Elshout G, van Halewijn KF, Bindels PJE, Stegers-Jager KM. Medical students' perception of general practice: a cross-sectional survey. BMC Med Educ. 2023;23:103.

背景:多くの国で総合診療医に対する需要の増加が予想されているが、総合診療医としてのキャリアを考えている医学生は少数派である。医学生の総合診療に対する認識について、より詳細かつ最新の情報を得ることは、医学生に総合診療のキャリアを考えてもらうための取り組みに役立つと思われる。

方法:オランダの医学生を対象とした単一施設での横断的調査を実施し、3つの異なる段階での総合診療に対する認識を評価した。Ba1:学士1年目、Ba3:学士3年目、Ma3:修士3年目。様々な要因が彼らの態度や認識に与える影響を定量化した。「総合診療への関心」を結果変数とし、多変量ロジスティック回帰を実施した。

結果:Ba1の年齢中央値は18歳(IQR:18-19)、71.5%が女性、Ba3の年齢中央値は20歳(IQR:20-21)、70.6%が女性、Ma3の年齢中央値は25歳(IQR:24-26)、73.3%が女性であった。平均で31.2%が移住の経歴を持つことがわかった。本調査の平均回答率は77.1%であった。参加したBa1学生(n = 340)のうち、医学部卒業後にGPとして働くことを考えていたのは22.4%に過ぎなかった。Ba3学生(n = 231)ではこの割合は33.8%で、Ma3学生(n = 210)では70.5%と有意に高く、最終多変量モデルでは、Ba1学生と比較して、4.3(95%-CI:2.6-6.9)のオッズ比(OR)に相当するものであった。最終的なモデルで最も強い予測因子は、GPは快適な職場環境を提供しているという意見であった(OR 9.5; 95%-CI: 6.2-14.5)。

結論:本研究では、複数の要因が医学生の総合診療に対する興味と有意に関連していることが示された。学生は、総合診療は医療職の中で高い地位にはないと考えているが、総合診療の社会的重要性と快適な労働環境は認めていた。本研究で得られた知見は、医学部カリキュラムや総合診療コースを設計する際に活用することができる。