医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Interrater reliability in neurology objective structured clinical examination across specialties (Med Teach 2023)

Mechtouff L, Balanca B, Jung J, Bourgeois-Vionnet J, Dumot C, Guery D, Picart T, Bapteste L, Demarquay G, Bani-Sadr A, Rascle L, Berthezène Y, Jacquesson T, Amaz C, Macabrey J, Ramos I, Viprey M, Rode G, Cortet M. Interrater reliability in neurology objective structured clinical examination across specialties. Med Teach. 2023 Aug 22:1-6. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、神経学客観的構造化臨床試験(OSCE)の採点に関連する評価者間信頼性と試験者の特徴、特に専門性を評価することである。

方法:神経学の模擬OSCEにおいて、ランダムに選ばれた5人の学生ボランティアが5つのステーションのうち1つを実施している様子を撮影した。撮影された映像は、リヨンとクレルモンフェランの大学病院の医師によって採点され、チェックリスト採点とglobal rating scaleの両方を用いて学生のパフォーマンスを評価した。評価者間の信頼性は、intraclass coefficient correlationを用いて評価した。採点に関連する因子を検出するために、ビデオ録画をランダム効果の従属変数として含む多変量線形回帰モデルを実施した。

結果:15名(50%)の神経内科医を含む30名の検査者が参加した。評価者間のチェックリスト得点およびglobal ratingsのクラス内相関係数は、それぞれ0.71(CI 95%[0.45-0.95])および0.54(CI 95%[0.28-0.91])であった。多変量解析では、チェックリスト得点と関連する因子はなかったが、検査者の性別が男性であることは、より低いglobal ratingと関連していた(β係数 = -0.37;CI 95% [-0.62-0.11])。

結論:本研究では、ビデオベースの採点法を用いて、神経内科のOSCEにおいて、チェックリストによる採点では評価者間の一致が良好であったのに対し、global rating scaleでは中程度であったことを示した。評価者の専門は採点に影響しなかったが、性別はglobal rating scaleと関連していた。