Gilkes L, Kealley N, Frayne J. Teaching and assessment of clinical diagnostic reasoning in medical students. Med Teach. 2022 Jan 18:1-7. Epub ahead of print.
背景:診断推論の指導とフィードバックは、医学教育において重要な役割を担っている。指導する臨床医はエラーを認識していても、それを説明する用語に馴染みがないため、一貫した有用な学生へのフィードバックが得られないことがある。
方法:この前向きプロジェクト評価研究では、一貫した用語とフィードバックツールを用いて、診断推論のエラーに関する試験官トレーニングパッケージを開発し、前臨床から早期臨床研修への移行期における医学生2年生における客観的構造化臨床試験(OSCEs)での診断推論のエラーについて報告することを目的とした。
結果:研修前後の診察・評価・フィードバックに関するリッカート尺度による質問では、研修後の診察者フィードバックの信頼度を含むすべての尺度に改善が見られた(p < 0.001)。このコホート内の学生(n = 235)は、教育学年の12週間後の最初の前臨床OSCEで、236人の学生は学年末のOSCEで確認した。個々の学生について、0~6の範囲の診断推論エラーが報告された。前臨床OSCEで診断推論エラーが観察された学生の平均病歴ステーションスコアを比較すると、「パターン認識不良」の学生はこのエラータイプのない学生より4.2%低く(p = 0.04、差の95% CIは 0.14, 8.32)、一方「非焦点データ収集」のエラー学生はこのエラーなしの学生より7.7%低いステーションスコアであった(p < 0.001、差の95% CIは 3.50, 11.99)。教育年度末の臨床OSCEでは、すべての一般的なエラータイプが成績低下と関連していた。エラーのパターンは2回の縦断的評価を通じて変化し、「パターン認識不良」の割合は減少し、「狭すぎ」と「早すぎる閉鎖」の割合は増加した。
結論:一般的な診断推論エラーの特定とフィードバックを既存の臨床評価に組みこむことは、実現可能であり、容易に実施することができた。一般的なエラーを理解し、特定し、一貫したフィードバックを提供することは、教育者を支援し、カリキュラム設計の指針となり得る。