医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

OSCE rater cognition - an international multi-centre qualitative study (BMC Med Educ 2022)

Hyde S, Fessey C, Boursicot K, MacKenzie R, McGrath D. OSCE rater cognition - an international multi-centre qualitative study. BMC Med Educ. 2022;22:6.

背景:本研究は、客観的構造化臨床試験(OSCEs)における採点者の意思決定過程、特に採点者の暗黙の前提や信念、採点者の特異性を探ることを目的とした。

方法:trigger OSCEビデオを見ながら候補者を評価する際に、評価者がどのような考えで意思決定を行うかについて、音読式プロトコール面接を用いてデータを収集した。また、最終医学試験レベルにおいて6年以上の経験を持つ試験官と、経験が浅い試験官の両方にインタビューすることを視野に入れ、合目的的リクルーティング戦略をとった。

結果:3カ国の3つのセンターで31人の面接が行われた。データ分析の結果、「OSCEは本物ではない (inauthentic)」、「真実の片鱗を探す」、「経験による進化」という3つのテーマが確認された。

結論:評価者は、OSCEの欠点が学生の行動に好ましくない影響を与える可能性があると認識している。一部の試験官(より経験豊富なグループ)は、評価の欠点を認識することにより、組織の方向性から逸脱する可能性がある。どのような評価方法も欠点がないわけではない。学生のパフォーマンスと試験官の認識における評価方法の限界と欠点を認識することが重要である。OSCEのパフォーマンスに関する評価者と学生の認識に関するさらなる研究は有用であると思われる。