医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The learning experiences of dyslexic medical students during the COVID-19 pandemic: a phenomenological study (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2021)

Shaw SCK, Hennessy LR, Anderson JL. The learning experiences of dyslexic medical students during the COVID-19 pandemic: a phenomenological study. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2021 Sep 17:1–18. Epub ahead of print.

背景:ディスレクシアとは、読み書きの能力に影響を及ぼす特定学習障害のことである。COVID-19パンデミックの際、メディカルスクールは遠隔学習・評価を行うことを余儀なくされた。広く知られている文献によると、ディスレクシアの学生にとってe-ラーニングは新たな課題をもたらす可能性がある。本研究では、現象学的研究により、この時期の学習/勉強に関する彼らの全般的な経験を探索した。

方法:5人の医学生に詳細なインタビューを行い、録音された音声を逐語録化した。逐語録化した内容は、解釈学的現象学的分析を行った。

結果:一体感 (togetherness)、自由 (freedom)、自分でコントロールできる感覚 (sense of control)という文化が改善され、概ねポジティブな体験であったことが明らかになった。一方で、臨床経験の不足、ディスレクシアの人の順位に悪影響を及ぼす可能性、試験での不正行為の可能性などの問題も明らかになった。意外な結果もあった。特に、遠隔学習の提供方法に対する肯定的な回答である。これらの回答により、一部の試験を除いて、参加者はディスレクシアではない同僚と同等になったようであった。

結論:パンデミックが終息しても、医学教育者が「これまでのやり方 ('the way things have always been done)」に戻ることに抵抗し、そうすることで、この新しい前向きな文化とパラダイムシフトを育み続けることができればと我々は願っている。