医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Examining the educational impact of the mini-CEX: a randomised controlled study (BMC Med Educ 2021)

Martinsen SSS, Espeland T, Berg EAR, Samstad E, Lillebo B, Slørdahl TS. Examining the educational impact of the mini-CEX: a randomised controlled study. BMC Med Educ. 2021;21:228.

背景:本研究の目的は、卒前医学生における形成的評価ツールとしてのmini-Clinical Evaluation Exercise(mini-CEX)を、学生の認知度、直接観察やフィードバックへの効果、教育的影響の観点から評価することである。

方法:16週間の臨床実習中の医学生5年生38名を対象とした、クラスターランダム化試験。病院は、学生1人あたり最低8回のmini-CEXを提供する群(介入群)と、アドホックなフィードバックを継続する群(コントロール群)にランダムに割り付けられた。臨床実習終了後、学生に対して、客観的構造化臨床試験(OSCE)、筆記試験、およびアンケート調査を行った。

結果:介入群では、参加者全員が事前に計画した数の評価を完了し、60%が臨床実習中にそれらが役に立ったと回答した。全体的に、直接観察とフィードバックの量と質の報告において、グループ間で統計的に有意な差はなかった。OSCEと筆記試験では、介入群の方がわずかに平均点が高かったが、統計的には有意ではなかった。

結論:医学生の臨床実習や日常生活における評価には大きな可能性があるが、形成的評価が教育に与える影響についてはほとんど知られていない。本研究は強固な研究デザインで貢献しており、今後の研究の基礎となるだろう。