Moult A, McKinley RK, Yeates P. Understanding patient involvement in judging students' communication skills in OSCEs. Med Teach. 2021 Sep 8:1-9. Epub ahead of print.
背景:コミュニケーションスキルの評価は、医学的な知識を持った試験官が、患者の関与が少ないなかで開発されたコンセンサス・フレームワークを用いて行われる。その結果、患者の真のコミュニケーションニーズに十分に応えられないパフォーマンスが評価されてしまう危険性がある。規制当局は評価に患者を関与させることを求めているが、どのようにしてそれを実現できるかについてはほとんど知られていない。我々は、学生のコミュニケーションスキルに対する患者の認識、試験官からのフィードバック、評価における患者の潜在的な役割について調査することを目的とした。
方法:構成主義的なグラウンデッド・セオリーを用いて、コミュニケーションに焦点を当てたOSCEステーションにおける学生のパフォーマンスのビデオを見て、対応する試験官のフィードバックを読んだ患者に、認知刺激による半構造化インタビューを行った。データは、グラウンデッド・セオリーの手法を用いて分析した。
結果:学生のコミュニケーションスキルに対する参加者の見解と試験官の見解には乖離が見られた。患者は学生の医学用語の使用について頻繁にコメントしていたが、試験官はフィードバックの中でこれに言及しなかった。学生のパフォーマンスに対する患者の判断は、好みや信念の違いを反映し、大きく異なっていた。参加者は、多様性を、学生が多様な人生経験から学ぶ機会と捉えていた。参加者は、評価の信頼性を高めるために多様な役割を認識していた。
結論:コミュニケーションスキルの評価に患者を組み込むことで、医学的知識のある試験官が見逃してしまう可能性のある、学生のコミュニケーションの欠陥を浮き彫りにすることができる。このような課題を克服することは、卒業生の実践への準備を高めることにつながると考えられる。