医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Peer review in team-based learning: influencing feedback literacy (BMC Med Educ 2021)

Burgess A, Roberts C, Lane AS, Haq I, Clark T, Kalman E, Pappalardo N, Bleasel J. Peer review in team-based learning: influencing feedback literacy. BMC Med Educ. 2021;21:426.

背景:Team-based learning (TBL)におけるピアレビューは、個人の行動を振り返ること、専門的なスキルを身につける機会を提供すること、チームでの議論に効果的に貢献できない「フリーライダー」を防ぐこと、という3つの重要な理由から存在する。そのためには、学生を惹きつける十分なプロセスが必要である。しかし、TBLに効果的に取り入れることは、依然として難しい課題であることが示唆されている。本研究の目的は、医学生がTBLにおいて仲間に書面によるフィードバックを行う能力を評価し、そのプロセスに対する学生の認識を、Biggsの「3Pモデル」という概念的枠組みを用いて探ることである。

方法:2年目の学生 (n = 255)は、2019年中に2回、ピアレビューに参加した。理論的に導き出されたルーブリックを用いてフィードバックの質を評価し、フォーカスグループデータの質的分析を行い、フィードバック行動の説明を求めた。

結果:学生は、ポジティブなフィードバックを提供する妥当な能力を示しましたが、改善すべき点を特定する準備はあまりできていなかった。学生の能力は時間の経過とともに向上することはなく、課題の難しさ、社会的な不快感、フィードバックを提供することに対する責任感に影響されていた。

結論:学生のエンゲージメントを高めるためには、口頭でのフィードバックとチームでのディスカッションを取り入れた透明性の高いプロセスが必要であり、教員による結果のモニタリングと十分なトレーニングが必要である。