医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A discourse analysis of health provider interactions with parents who are reluctant to vaccinate (Patient Educ Couns 2021)

Crawford T, Leask J. A discourse analysis of health provider interactions with parents who are reluctant to vaccinate. Patient Educ Couns. 2021 Aug 30:S0738-3991(21)00581-4. Epub ahead of print.

背景:ワクチンをためらうことは、ワクチン接種を受けるうえでの根強い障壁となっており、医療従事者は、そのような親との交流は困難であると報告している。談話分析の手法 (discourse analytic techniques)を用いて、ワクチン接種専門家とワクチン接種をためらう親との間で行われる相談において、共感を示し、信頼関係を築こうとする治療的関係の基盤を検討する。

方法:オーストラリアの2つのワクチン接種専門クリニックにおいて、同意を得た臨床医と親との間で行われた相談を記録した。臨床医と保護者の間で交わされた12の会話を、相互作用的社会言語学 (IS; interactional sociolinguistic)談話分析法を用いて分析した。

結果:本論文では、ケーススタディのアプローチを用いて、相互理解と好意を得るために努力しているコンサルタントの相互作用を例示する2つのやりとりを挙げ、共感と信頼関係の構築を示す談話の選択の例を指摘した。

結論:関係性と臨床的な目標を織り交ぜた談話戦略を意識することで、親とのワクチン関連の意思決定における指導的なパートナーシップを支えるコミュニケーションスキルをより繊細に理解することができる。
共感を示し、信頼関係を築くための戦略的な相互作用を強調することで、教育的アプローチに情報を提供し、医療従事者のコミュニケーションスキルを強化するためのコミュニケーション選択のレパートリーを構築することができる。