医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Does a measure of Medical Professional Identity Formation predict communication skills performance? (Patient Educ Couns 2021)

Kalet A, Ark TK, Monson V, Song HS, Buckvar-Keltz L, Harnik V, Yingling S, Rivera R Jr, Tewksbury L, Lusk P, Crowe R. Does a measure of Medical Professional Identity Formation predict communication skills performance? Patient Educ Couns. 2021 Apr 9:S0738-3991(21)00236-6. Epub ahead of print.

背景:プロフェッショナル・アイデンティティ形成 (PIF)を測定するアプローチを検証するために、プロフェッショナル・アイデンティティ (PI)のステージスコア測定であるプロフェッショナル・アイデンティティ・エッセイ (PIE)が、臨床コミュニケーション能力を予測するかどうかを探る。

方法:学生は、メディカルスクールのオリエンテーション時にPIEを記入し、3ケースの客観的構造化臨床試験 (OSCE)を受けた。OSCEでは、模擬患者が5つのドメインのコミュニケーションスキルを信頼性をもって評価した。媒介分析 (mediation analysis)を用いて、PIEのステージスコアとコミュニケーション能力の関係を検討した。

結果:351名 (89%)の同意を得た学生について、個人の特性をコントロールすると、PIEスコアが半段階上がるごとに、患者のカウンセリング (6.5%、p < 0.01)、情報収集 (4.3%、p = 0.01)、組織と管理 (4.1%、p = 0.02)、患者の評価 (3.6%、p = 0.04)、関係構築 (3.5%、p = 0.03)のスキルが向上した。社会経済的地位 (SES)の低い学生のコミュニケーション能力は、PIEのステージスコアがやや高いことで間接的に影響を受けていることがわかった。

結論:PIEスコアが高いほど、コミュニケーション能力が高く、SESが低いことと関連する。PIEは重要な臨床能力を予測し、SESやその他の特性が将来の臨床能力にどのように間接的に影響するかを明らかにした。これにより、PIEを縦断的な形成的学術指導、プログラムやカリキュラムの評価、および研究におけるツールとして使用するための妥当性が示された。