医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Do medical students with a disability experience adverse educational outcomes on UK medical courses? (Med Teach 2022)

Revell K, Nolan H. Do medical students with a disability experience adverse educational outcomes on UK medical courses? Med Teach. 2022 Oct 29:1-7. Epub ahead of print.

背景:国際的なデータでは、障害のある医学生は、差のある賞を受けることが証明されている。ある横断的な研究では、卒業率と筆記試験のスコアが低く、臨床試験には影響がないことが分かっている。障害のある学生は、卒業時の成績が低い。この量的、後ろ向き、縦断的研究では、障害の有無が試験の成績、コースの成績、コースの中断に及ぼす影響を調査した。

方法:2011年から現在に至るまで、英国のgraduate medical programmeに在籍する1743名の学生について、匿名化されたデータを入手した。試験結果やカテゴリー別結果に対する人口統計学的変数の主効果について、t検定やone-way ANOVAなどの統計的検定を実施した。回帰モデルにより、成績およびカテゴリー別結果に対する変数および変数の下位カテゴリーの効果を確認した。

結果:障害による試験成績への有意な主効果が、不合格確率と同様に確認された。回帰分析では、障害の種類によって結果に有意差があり、精神的な健康状態はコースの中断を予測した。また、障害を持つBAME学生には、有意な増幅効果が認められた。

結論:障害は、すべてのコースの結果に大きな負の影響を及ぼし、医学研修における不公平を示し、カリキュラム開発の焦点となる領域であった。また、医学生のなかで不利な立場に置かれているサブグループが、交差データから特定された。