Zhang G, Wu H, Xie A, Cheng H. The association between medical student research engagement with learning outcomes. Med Educ Online. 2022;27:2100039.
背景:医学生の研究参加は、卒前医学教育の重要な要素であると考えられてきた。しかし、医学生の研究への取り組みと学習成果との関連性に関するエビデンスは不足している。本研究の目的は、以下の通りである。(1)中国における医学生の研究参加状況の概要を記述する、(2)医学生の研究参加と学習成果の関連性、およびこの関連性が異なる特徴を持つ学生間で異なるかどうかを調査することである。
方法:質問票を作成し、パイロットテストを行い、中国の33校の医学生に配布した。研究への関与は、学生が研究プロジェクトに従事した時間によって測定され、学習成果は、中国の基礎医学教育基準に含まれる学習成果を参照した。研究への取り組みと参加者の特徴との間の統計的有意性を測定するために、カイ二乗検定を使用した。また、メディカルスクール固定効果による多変量線形回帰を用いて、研究参加と学習成果の関係を分析した。
結果:全体の回答率は86.7%であった。10,062名の医学生がアンケートに回答し、そのうち55.5%が1つ以上の研究プロジェクトに参加したことがあった。研究への参加状況は、在学期間、性別、学業成績によって異なることがわかった。また、研究への参加は、学生の全体的な学習成果、特に科学と学問の領域(1回:β=0.20、P < 0.001、2回以上:β=0.43、P < 0.001)およびプロフェッショナリズムの領域(1回:β = 0.12, P < 0.05 、2回以上:β = 0.25, P < 0.01 )と正の相関があった。研究への取り組みと学習成果の関係は、性別によって有意に異なっていた。
結論:医学生の研究への取り組みは、医学生の学習成果、特に科学と学問領域とプロフェッショナリズム領域において、有意に正の相関がある。そのうえ、特に科学と学問領域では、男性の方が研究プロジェクトに従事することでより多くの利益を得ている。