医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Shifting perspectives: Unveiling the transformative potential of home visits to persons living with disability in rural settings for medical students (Med Teach 2023)

van Zyl M, Archer E. Shifting perspectives: Unveiling the transformative potential of home visits to persons living with disability in rural settings for medical students. Med Teach. 2023 Dec 17:1-7. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、南アフリカの農村部で障害者の家庭訪問 (home visits)に参加した医学生の変容的な学習体験を調査することであり、このような体験が彼らの専門的発達と臨床実践に関する信念を形成する可能性を探ることである。

方法:質的データは、振り返り文書と半構造化面接によって学生から収集した。データは、メジローの変容学習理論に導かれた現象学的アプローチを用いてテーマ的に分析された。

結果:その結果、学生の変容的学習には3段階のプロセスがあることが明らかになった。第一に、家庭訪問を行う前は、学習活動に対して否定的な意見が多かった。次に、批判的内省の役割が生徒の視点の変化を促した。最後に、学習活動や臨床実習への取り組みに対して、圧倒的に肯定的な価値観を持つように変化した。

結論:本研究は、家庭訪問と構造化されたクリティカル・リフレクションを卒前医学カリキュラムに組みこむことの意義を強調するものである。この分野におけるさらなる研究の必要性を強調するとともに、ヘルスケア教育における変容的学習の理解に貢献するものである。この知見は、包括的実践を形成し、全人的な患者ケアを育むための地域ベースの活動の可能性を強調するものである。