医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Understanding how primary care providers report discussing substance use with transgender and gender diverse patients (Patient Educ Couns 2023)

Wolfe HL, Fix GM, Hughto JMW, Hughes LD, Operario D, Hadland SE, Siegel J, Drainoni ML. Understanding how primary care providers report discussing substance use with transgender and gender diverse patients. Patient Educ Couns. 2023 Dec 13;120:108101. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、プライマリ・ケア提供者が、トランスジェンダーおよびジェンダー多様性(TGD)の成人患者と、ジェンダーを肯定する介入について話し合うなかで、薬物使用についてどのように報告しているかを調査することである。

方法:2022年3月から4月にかけて、米国北東部でTGD患者をケアするプライマリ・ケア提供者15名を対象に、詳細な半構造化質的面接を実施した。面接データを分析し、テーマを特定するためにテーマ分析を用いた。

結果:医療提供者の間で2つの主要なテーマが浮かびあがった: 1)害の軽減に重点を置き、薬物使用の否定的な結果を減らすことを強調すること、2)患者が薬物使用パターンを変える動機として、ジェンダーを肯定する介入へのアクセスを利用すること、である。

結論:害の軽減に焦点を当てることで、TGD患者とともにジェンダーを肯定する目標に向かう一方で、潜在的な有害結果を減らすことを強調することができる。今後の研究では、ジェンダーを肯定する臨床ガイドラインの解釈と同様に、TGD患者と薬物使用についてどのように話し合うかについて、さまざまなアプローチを探るべきである。本研究から得られた知見は、ジェンダーを肯定する診療ガイドラインの適切な適用に関する医療提供者の知識を高める必要性を示している。ジェンダーに配慮したケアを改善するための研修への投資は、害の軽減を優先し、不必要にジェンダーに配慮した介入へのアクセスを妨げないアプローチを奨励するために重要である。