Albahari D. Learning Clinical Reasoning: The Experience of Postgraduate Psychiatry Trainee Doctors in Qatar. Teach Learn Med. 2023 May 8:1-14. Epub ahead of print.
背景：医学教育におけるコアコンピテンシーとして、臨床推論は医療過誤を減らし、患者の安全を促進するための柱となっている。臨床推論は、複数の理論のレンズを通して研究された複雑な現象である。認知心理学の理論は、臨床推論の理解を一変させたが、文脈的要因に影響される臨床推論のバリエーションを説明するには不十分であった。社会的認知理論では、学習者の認知プロセスと社会的・物理的環境との間にダイナミックな関係があることを提唱している。このダイナミックな関係は、臨床推論を学ぶうえで、フォーマルおよびインフォーマルな学習環境の重要な役割を強調するものである。
方法：私の研究は、認知心理学と社会的認知理論を用いて、卒後精神科研修生のサンプルにおける臨床推論学習の個人的経験を探ることを目的とした。カタールの精神保健サービスに勤務する精神科研修生7名の層別便宜的サンプルは、2020年に半構造化インタビューに答えた。理論的テーマ分析を使ってデータを手作業で分析した。
結果：私は、複数のサブテーマを持つ3つの包括的なテーマを特定した。最初のテーマは、学習機会の認識と学習行動に対する階層的な文化的影響であった。最初のテーマは、チームメンバーとの関係や期待される階層的役割を探る2つのサブテーマがあった。2つ目のテーマは、臨床推論の学習と実行に対する感情の影響である。2つ目のテーマには3つのサブテーマがあり、知覚された自己効力と職業イメージに関連する感情を管理するための個人的アプローチを探求した。3つ目のテーマは、学習環境の特徴と臨床推論の学習におけるその役割であった。最後のテーマは、ストレスの多い環境、自律的な環境、対話的な環境を探求する3つのサブテーマが含まれていた。
結論：この結果は、臨床推論の複雑さを際立たせている。臨床推論の学習における研修生の経験は、カリキュラムでコントロールされていない要因に影響されていた。これらの要因は、学習に大きな影響を与える隠れたカリキュラムを構成している。我々の地域の卒後トレーニングプログラムは、効果的で文化的に敏感な臨床推論学習のために、本研究で提起されたポイントに取り組むことが有益である。
