医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Patterns of Ostracism Experienced by Canadian Medical Trainees of Asian Sub-ethnicities (Teach Learn Med 2023)

Kim SY, Shin Y, Kirpalani A. Patterns of Ostracism Experienced by Canadian Medical Trainees of Asian Sub-ethnicities. Teach Learn Med. 2023 Dec 25:1-9. Epub ahead of print.

背景:排斥 (ostracism)は人の基本的欲求に悪影響を及ぼす。アジア系の北米アメリカ人は、欧米の文化規範とは本質的に異なるというステレオタイプのレッテルを貼られているため、排斥されるリスクが高い。我々は、アジア系カナダ人の医学研修生が臨床研修中に排斥を受けた経験を調査した。

方法:カナダの3つのメディカルスクールで、アジア系の医学研修生20名を対象に半構造化面接を行い、排斥の経験を探り、the temporal need threat model of ostracism.の理論的枠組みに導かれたテーマ分析を行った。

結果:東アジア、南アジア、東南アジアのサブエスニック・グループからの参加者が研究に参加した。彼らは臨床や社会的な場から排除された経験を語った。排斥の主な原因は、制度的人種差別、医学教育における権力力学、多様性のない研修環境であった。モデル・マイノリティ神話は、排斥の体験に大きく寄与していた。研修生は、自分たちのウェルビーイングが脅かされていると感じ、多くの研修生が、今後排斥を受け入れることに諦めを感じていた。

結論:排斥は、アジア系カナダ人医学研修生のウェルビーイングとキャリアアップに大きな脅威をもたらす。密かな排斥に直面している研修生は、絶望という諦めの段階に入る危険性が特に高かった。このようなマイノリティ化したコミュニティが直面する有害なステレオタイプや偏見に満ちた慣習を解体するために、この認識されていない問題に教育機関が取り組む必要がある。