医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Responsibility to report symptoms: Pursuing symptom reports from children in pediatric encounters (Patient Educ Couns 2023)

Shirokov A. Responsibility to report symptoms: Pursuing symptom reports from children in pediatric encounters. Patient Educ Couns. 2023 Dec 12:108107. Epub ahead of print.

背景:本稿では、親から報告された症状を子どもが否定するケースに焦点を当て、医師や親が子どもから症状の確認を引き出すためにどのような質問を続けているかを分析する。

方法:会話分析(Conversation Analysis:CA)を用いて、4人の小児科医と約50人の子どもによるロシア語の小児科診察のビデオ録画50件を調査した。

結果:その結果、参加者が症状確認のために用いた2つの戦略が示された。1つ目は、質問の形式を変えたり、質問の論点を絞ったりして質問デザインを調整し、子どもからどのような情報が期待されているかを特定することである。2つ目は、主題を調整することなく、質問の形式(内容から極論へ)を変更することである。

結論:本論文は、子どもを医療相談に参加させることは困難である可能性があることを論じている。なぜなら、子どもは志向性がないため、患者に制度的に期待されている責任、特に医療に関連する情報を報告する責任を果たさないからである。この分析から、子どもに関連する日常的な活動や経験についての極論的な質問を用い、質問の主題を徐々に絞り込んで症状の報告を追求することが、医学的関連情報を確保する効果的な方法であることが示された。