医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Inequity is woven into the fabric: a discourse analysis of assessment in pediatric residency training (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Anderson HL, Abdulla L, Balmer DF, Govaerts M, Busari JO. Inequity is woven into the fabric: a discourse analysis of assessment in pediatric residency training. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Jun 23. Epub ahead of print.

背景:評価における本質的不公平 (intrinsic inequity)とは、評価ツールや評価システムの設計に内在する有害な差別の原因を指す。本研究は、一般小児科を談話事例として、レジデンシー研修における評価方針と関連手順を研究することにより、評価システムにおける本質的不公平を理解しようとするものである。

方法:フーコー的談話分析(Foucauldian discourse analysis; FDA)は、評価方針と手順の文書に対して行われた。2人の著者がそれぞれ独立に、ガイドとなる質問を用いて構造化された分析ノートを作成した。その後、文書とそれぞれの分析ノートをすべての著者が独立してレビューした。各執筆者は、文書の談話に関する非構造化分析ノートをさらに作成した。その後、著者らはノートを比較し、真理記述(すなわち、談話が研究対象の構成要素について何を真理として立証しているかの解釈)と、反復的な議論を通じて文書間で繰り返され正当化されたサブ・ストランド(sub-strands; すなわちテーマ)を構築した。

結果:分析に基づき、著者らは2つの真理声明を構築した。良い評価とは公平な評価である」「不公平は誰にでも責任がある」というこれらの真理記述は、評価における不公平を、そうでなければ効果的または中立的なシステムにおける孤立した、または個人レベルの異常として概念化したものである。

結論:談話中の真理記述とサブ・ストランドをより詳細に検討することで、別の見解が示され、不公平は実際には異常ではなく、むしろ評価システムに固有の特徴である可能性が示唆された。