医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

How supervisor trust affects early residents' learning and patient care: A qualitative study (Perspect Med Educ 2021)

Gin BC, Tsoi S, Sheu L, Hauer KE. How supervisor trust affects early residents' learning and patient care: A qualitative study. Perspect Med Educ. 2021 Jul 23. Epub ahead of print.

背景:指導者と研修生の間の信頼関係は、研修生の参加と学習を仲介する。レジデント(卒後研修生)が指導者の信頼を理解することは、患者ケアの責任、学習の機会、医師としての全体的な成長に対する認識に影響を与える。指導者の信頼の観点はよく研究されているが、レジデントが指導者の信頼をどのように認識し、それが研修生にどのような影響を与えるかについてはあまり知られていない。

方法:この質的研究では、単施設の21名の小児科レジデントにインタビューを行った。質問内容は、卒後1年目(PGY-1)の入院患者の経験についてであった。各インタビュー対象者には、レジデントの指導者からの信頼が最適、不十分、過剰であると感じた3つの異なる患者ケアのシナリオについて説明するよう求めた。データはテーマ分析を用いて分析された。

結果:レジデントは、指導者の信頼を、指導者、タスク、関係、文脈の4つの要素で認識・解釈していた。最適な信頼関係は、監督者のavailabilityとレジデントの自立性のバランスがとれていること、意思決定に参加できるタスクがあること、指導者との信頼関係があること、適切な自律性とチームの包括性が育まれている職場であることと関連していた。指導者の信頼がレジデントに与える影響は、学習経験、態度と自信、アイデンティティと役割の3つのテーマに分けられた。最適な信頼関係は、オーダーメイドの指導による学習、自信と脆弱性の軽減、patient ownershipとチームへの帰属意識をサポートした。

結論:研修生が指導者の信頼をどのように認識しているかを理解することで、指導者と研修生の信頼関係の対話を改善するための介入を強化することができる。信頼は、研修生が患者ケアの役割を理解し、自律性を認識し、学習に取り組む方法に影響するため、指導者が研修生の信頼の解釈を認識することは重要である。