医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"We're all going through it": impact of an online group coaching program for medical trainees: a qualitative analysis (BMC Med Educ 2022)

Mann A, Fainstad T, Shah P, Dieujuste N, Thurmon K, Dunbar K, Jones C. "We're all going through it": impact of an online group coaching program for medical trainees: a qualitative analysis. BMC Med Educ. 2022;22:675.

背景:卒後医学教育における研修生は、不釣り合いな割合でバーンアウトの影響を受けている。研修生は臨床スキルと推論において著しい成長を経験するが、経験を処理するためのメタ認知や、成功やウェルビーイングの個人的な定義を作成するための意図的なアイデンティティ形成にはほとんど時間が割かれていない。本研究の目的は、研修中の女性レジデントを対象とした6ヶ月間のWebベースのグループコーチングプログラムに参加した研修生の視点と経験を理解することであった。

方法:Better Together Physician Coachingは、自分のペースで進められる6ヶ月間のオンライン非同期型コーチングプログラムであり、ライブコーチングコール、無制限の書面コーチング、自己学習モジュールなどの複数の構成要素を備えている。2021年5月から6月にかけて、コロラド州の1つの教育機関内の12のGMEプログラムからBetter Togetherの参加者17名に対して半構造化面接を実施した。全員が女性であることを確認し、6ヶ月間のコーチングプログラムに参加していた。コーチングプログラムが研修経験やウェルビーイングに「どのように、なぜ」影響を与えたかなど、コーチングプログラムに対する学習者の認識を理解することを目的として、データの収集と分析に帰納的方法と演繹的方法の両方が使用された。

結果:データから、コーチング・プログラムの利点として3つの主要なテーマが浮かびあがった。1)健康的な対処のためのツールとしてのメタ認知の実践 2)コミュニティの感覚の構築 3)カスタマイズ可能な経験の価値。

結論:グループコーチングプログラムに参加した女性研修生は、メタ認知に焦点を当てたコーチングを通じてストレス要因に対処する方法を学ぶことに価値を見出したと表現した。また、コミュニティを形成することや、経験をカスタマイズできることも、プログラムの肯定的な側面であると記述した。