医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Effects of a pre-visit online information tool about genetic counselling for ovarian cancer patients, a randomized controlled trial (Patient Educ Couns 2023)

Frijstein MM, Hamers SL, van Driel WJ, Bleiker EMA, van der Kolk L, Sijstermans R, Lok CAR. Effects of a pre-visit online information tool about genetic counselling for ovarian cancer patients, a randomized controlled trial. Patient Educ Couns. 2023 May 2;113:107786. Epub ahead of print.

背景:オランダでは、卵巣がん患者に対して遺伝子検査が行われている。検査前の準備は、患者さんのカウンセリングに役立つかもしれない。本研究の目的は、ウェブベースの介入を用いることで、卵巣がん患者への遺伝カウンセリングがより効果的になるかどうかを明らかにすることであった。

方法:2016年から2018年にかけて、当院で遺伝カウンセリングのために紹介された卵巣がん患者127名がこの試験に参加した。104名の患者を分析した。全患者がカウンセリング前とカウンセリング後にアンケートを記入した。また、介入群はオンラインツールにアクセスした後にアンケートを記入した。カウンセリング期間、患者の満足度、知識、不安、抑うつ、苦痛をカウンセリング前と後で比較した。

結果:介入群は、カウンセリンググループと比較して、同じレベルの知識を持っていたが、より早い時期に彼らは介入に満足し(86%)、カウンセリングに対する準備も進んでいた(66%)。介入は診察時間の短縮にはつながらなかった。不安、抑うつ、苦痛、満足度のレベルに差は見られなかった。

結論:診察時間には影響がなかったが、オンライン教育後の知識の向上と患者の満足度は、このツールが遺伝カウンセリングに効果的に追加できることを示している。教育ツールの使用は、遺伝カウンセリングのより効果的で個別化された方法となり、共有意思決定を可能にする可能性がある。