医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A Randomized Trial Assessing the Effect of Exercise on Residents' Podcast Knowledge Acquisition and Retention (Acad Med 2023)

Gottlieb M, Cooney R, Haas MRC, King A, Fung CC, Riddell J. A Randomized Trial Assessing the Effect of Exercise on Residents' Podcast Knowledge Acquisition and Retention. Acad Med. 2023 Dec 18. Epub ahead of print.

背景:ポッドキャストはレジデントの学習の一環としてよく利用されており、他の活動(運転や運動など)と並行して聞いている人も多い。運動が学習に及ぼす影響については議論があり、潜在的な有益性を示唆するものもあれば、学習障害を示唆するものもある。本研究では、ポッドキャストを聴きながら運動しているレジデントと聴きながら運動していないレジデントとで、運動が知識の習得と定着に影響するかどうかを検討した。

方法:この多機関共同ランダム化クロスオーバー試験では、2022年9月から2023年1月にかけて、米国の5施設で救急科レジデントを評価した。レジデントを、座ったまま30分のポッドキャストを1つ聴く群と、30分の有酸素運動を継続的に行いながら30分のポッドキャストを聴く群にランダムに割り付け、施設と卒後年次で層別化した。ポッドキャストを聴き終えてから30分以内に、20問の多肢選択式テストを行った。その後、もう一方の介入に移り、別の30分のポッドキャストを聴き、また20問のテストを行った。それぞれのポッドキャストは、どの施設でもジャーナルクラブやカリキュラムで扱われていなかった救急医療関連の学術誌の論文に焦点を当てたものであった。レジデントはまた、30日後に両方のポッドキャストに関する別々の問題を含む40問の遅延想起テストを行った。

結果:96人のレジデントがこの研究に参加し、95人(99.0%)が初回想起部分を完了し、92人(97.0%)が遅延想起テストを完了した。初回想起(74.4% vs 76.3%;d = -0.12;95%CI、-0.33~0.08;P = 0.12)または遅延想起(52.3% vs 52.5%;d = -0.01;95%CI、-0.22~-0.19;P = 0.46)において、運動コホートと座位コホートの間に統計学的有意差は認められなかった。

結論:ポッドキャストを聴きながら運動することは、座って注意をそらさずに聴くことと比較して、30日後の知識の獲得や保持に有意な影響を及ぼさないようであった。