医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Pathways, journeys and experiences: Integrating curricular activities related to social accountability within an undergraduate medical curriculum (Med Educ 2023)

Dubé TV, Cumyn A, Fourati M, Chamberland M, Hatcher S, Landry M. Pathways, journeys and experiences: Integrating curricular activities related to social accountability within an undergraduate medical curriculum. Med Educ. 2023 Oct 27. Epub ahead of print.

背景:医療専門職教育カリキュラムは、social accountability (SA)に向けて改革が進められている。SAとは、社会的ニーズに対応するために、教育、サービス、研究を方向付ける学術機関の義務として定義される。しかし、どのような教育経験が学習者をどのように変容させるのか、またそのような行動の背後にあるプロセスについてはほとんど知られていない。例えば、卒前医学教育(UGME)プログラムの開発と実施に責任を持つ人々は、SAに関連するコンピテンシーの開発を促進する教育アプローチについて深く理解することから利益を得ることができる。本稿の目的は、UGMEプログラムにおいて、SAに関連するカリキュラムのどのような側面が表現されているかについて、プログラムの実施に関わる様々なパートナーの視点から学ぶことである。

方法:我々は、フランス語圏のカナダの大学で質的記述研究を実施した。(a) 3年生および4年生の医学生、(b) 医学教師、© プログラム管理者(プログラムのリーダーシップなど)、(d) コミュニティメンバー(コミュニティ組織など)、€ 患者パートナー。データの解釈には帰納的テーマ分析を用いた。

結果:参加者の視点は、以下の4つの重要なテーマを中心に整理された:(a) 将来の社会的説明責任を果たす医師の定義、(b) 社会的説明責任を果たす教育活動と経験、© 社会的説明責任を果たすMDプログラムの特徴、(d) カリキュラムの改善と実施への提案。

結論:我々は、教育や学習に携わる人々の視点から、SAに関連するカリキュラム活動に関する研究を拡張した。体験学習、コミュニティメンバーや患者パートナーとの関わり、カリキュラム開発への共同アプローチの関連性を強調する。我々の研究は、医学生のSAを育成するうえで、どのような順序の経路があるのかのスナップショットを提供するものであり、したがって、SAに関連する教育アプローチの実施に寄与するものに関する知識と実践の間のギャップを解決するものである。我々は、SAに関連する教育・学習と評価方法を開発し、整合させるための教育革新と研究の必要性を強調する。