医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Questions of Well-Being and Inclusion in Online Undergraduate Medical Education During COVID-19: A 2-Phased Focused Scoping Review (Acad Med 2022)

MacLeod A, Cameron P, Luong V, Parker R, Li V, Munroe-Lynds CL. Questions of Well-Being and Inclusion in Online Undergraduate Medical Education During COVID-19: A 2-Phased Focused Scoping Review. Acad Med. 2022 Dec 12. Epub ahead of print.

背景:COVID-19パンデミック時にカリキュラムのオンライン配信に急速に移行したことにより、卒前医学教育(UGME)は変貌を遂げた。オンラインUGMEに関する研究のほとんどは、その有効性の測定に焦点を当てたものである。しかし、医学教育者は、well-beingとinclusionに関して、その意味合いに関するevidenceも必要としている。

方法:オンライン学習の移行、特にwell-beingとinclusionに対する影響を調査するため、この2段階焦点型スコーピング・レビューは、Joanna Briggs Instituteの改訂版アプローチを採用した:(1)レビュー質問と目的の開発、(2)適格基準の決定、(3)検索戦略の開発、(4)結果の抽出、分析、考察、(5)結論を導き、(6)実践とさらなる研究への影響を考察する。

結果:このレビューには、最終的に217の論文が含まれ、そのうち107(49%)がオンラインUGME中の学生およびスタッフのwell-beingについて、64(30%)がこの文脈におけるinclusionに焦点を当て、46(21%)がwell-beingとinclusionの両方を調査していた。また、収録された論文のうち137本(63%)が研究・評価、48本(22%)が記述、32本(15%)が意見であった。137編のうち、115編(84%)が量的研究、10編(7%)が質的研究、8編(6%)が混合法研究、4編(3%)がレビューであった。これらの研究/評価調査のうち、データ収集方法として最もよく用いられたのはアンケート(n = 120)であり、次いで学力試験(n = 14)であった。その他の方法としては、インタビュー(n = 6)、フォーカスグループ(n = 4)、書面による考察(n = 3)、ユーザーデータ(n = 1)、血液検査(n = 1)などが挙げられた。

結論:特に、歴史的に排除されてきたグループのメンバーや低資源環境の学習者にとって、オンライン学習空間やアプローチの安全性や包括性に関して、重要な疑問が残っている。オンライン医学教育の社会的意味をよりよく理解するためには、より厳密で理論的な情報に基づいた研究が必要であり、これにはwell-beingとinclusionに関するより詳細で質的調査や、オンライン空間を安全で包括的、かつ支援的なものにするための戦略などが含まれる。