医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Longitudinal training models for entrusting students with independent patient care? - A systematic review (Med Educ 2021)

Bonnie LHA, Cremers GR, Nasori M, Kramer AWM, van Dijk N. Longitudinal training models for entrusting students with independent patient care? - A systematic review. Med Educ. 2021 Aug 12. Epub ahead of print.

背景:卒前医学教育(UGME)と卒後医学教育(PGME)の両方の学生が独立した患者ケアに参加することは、学生の知識、スキル、およびプロフェッショナル・アイデンティティの形成に貢献する。学生とプリセプターの継続的な協力関係は、学生が独立して患者ケアを提供する機会に貢献するかもしれない。本システマティックレビューでは、縦断型研修モデルが学生の独立した実践を促進するかどうか、また縦断型研修モデルのどのような特徴がこのプロセスに寄与するかを評価することを目的とする。

方法:本システマティックレビューは、PRISMAガイドラインに基づいて実施した。2020年5月に、3つのデータベースで検索を行った。UGMEプログラムとPGMEプログラムの両方の学生の独立した実践に対する縦断型研修モデルの影響を評価した論文を対象とした。合計68件の論文が研究に含まれた。収録された研究の質は、QATSDD (Quality Assessment Tool for Studies with Diverse Designs)を用いて評価した。

結果:縦断型研修モデルのUGMEおよびPGMEの学生は、ブロックモデルの学生と比較して、より頻繁に患者のケアを独立して行うことが許されており、また、研修プログラム終了時に独立した診療を行うための準備が整っていると感じている。縦断型研修モデルに関連するいくつかの要因が、学生が独立して仕事をする機会を刺激する。この過程で最も重要な要因は、プリセプターや医療チームとの縦断的な関係である。

結論:学生とプリセプターとの継続的な協力関係により、彼らは集中的かつ支持的な相互関係を築き、安全な学習環境の整備を可能にしている。その結果、学生のプロフェッショナルとしての成長が促進され、学生は徐々に医療チームの一員となり、自立した患者ケアに従事する機会を得ることができる。