医学教育研究者・総合診療医のブログ

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The prevalence of harassment of diagnostic radiography and radiation therapy students whilst on clinical placement in the Republic of Ireland (Med Teach 2023)

Walsh C, England A, Young R, Moore N, Hutch A, Dennan S, Rainford L, Albeshan S, Alashban Y, McEntee M. The prevalence of harassment of diagnostic radiography and radiation therapy students whilst on clinical placement in the Republic of Ireland. Med Teach. 2023 Dec 13:1-7. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、学生放射線技師および放射線療法士が、臨床実習中にハラスメント(言語的、身体的または性的)を経験したかどうか、またそのような出来事を報告するための方針について認識しているかどうかを明らかにすることである。

方法:世界保健機関(WHO)の「医療における職場の暴力に関するアンケート」と、高等教育機関(HEA)の「アイルランドの高等教育機関における学生の性的暴力・ハラスメント体験に関する全国調査」から作成したオンラインアンケートを用いた。対象は、アイルランド共和国の診断放射線学および放射線治療の卒前生・卒後生で、最低4週間の臨床実習を修了した学生である。256名の学生のうち、98名がアンケートに回答した。

結果:41%(n = 40)の学生が、少なくとも1件のハラスメントを経験したと報告した。13%の学生が2種類のハラスメントを経験したと回答し、2人の学生が言葉によるハラスメント、身体的ハラスメント、性的ハラスメントを経験したと回答した。言葉によるハラスメント(n = 33)と性的ハラスメント(n = 16)が最も多く、身体的なハラスメントは7人が経験した。参加者の91%(n = 88)が、身体的、言葉による、または性的なハラスメントの事例に対処するための十分な訓練を受けていないと回答した。

結論:学生放射線技師および放射線療法士に対するハラスメントは、実習中に発生している。男性患者が主な加害者であり、ほとんどの事件は報告されていない。学生はハラスメントの事例を報告する権限を与えられておらず、ハラスメントを報告する方法を知らないこともある。