医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Timing's not everything: Immediate and delayed feedback are equally beneficial for performance in formative multiple-choice testing (Med Educ 2023)

Ryan AT, Judd T, Wilson C, Larsen DP, Elliott S, Kulasegaram K, Swanson D. Timing's not everything: Immediate and delayed feedback are equally beneficial for performance in formative multiple-choice testing. Med Educ. 2023 Nov 28. Epub ahead of print.

背景:テスト強化型学習(test-enhanced learning; TEL)は、定期的なテストとレビューのプロセスを通じて学習者の積極的な参加を優先する、インパクトのある教育・学習戦略である。有意義なフィードバックがTELの効果を最適化することは明らかであるが、医学教育の場におけるフィードバックの理想的なタイミング(すなわち即座なのか遅延なのか)は不明である。

方法:メルボルン大学から41名の医学部2年生を募集した。参加者は、即時型(すなわち、項目後)と遅延型(すなわち、項目-ブロック後)の概念的フィードバックをミックスした多肢選択問題テストを受けた。その後、テスト直後と1週間後のフォローアップで、近接・遠距離の伝達項目に関するテストを行った。

結果:ロジスティック混合効果モデルを用いて、近距離および遠距離への移行の成功確率を予測した。予想通り、本研究の参加者は、遠距離移行の項目の得点が近距離移行の項目の得点よりも低い傾向にあった。加えて、親質問に対する最初の正解は、その後の正解を予測した。我々の仮説に反して、フィードバックのタイミング効果は有意ではなく、即座に行われたフィードバックと遅延されたフィードバックの間に識別可能な差はなかった。

結論:本研究の結果は、この医学教育の場において、フィードバックのタイミング(項目後か項目ブロック後か)はTELの有効性に影響しないことを示唆している。したがって、教育者がTELフィードバックの適切なタイミングを決定する際には、実践的な要因を考慮することを示唆する。