Liu A, Duffy M, Tse S, Zucker M, McMillan H, Weldon P, Quet J, Long M. Concurrent versus terminal feedback: The effect of feedback delivery on lumbar puncture skills in simulation training. Med Teach. 2023 Mar 17:1-7. Epub ahead of print.
背景:シミュレーションに基づく医学教育(SBME)は、ベッドサイドでの手技の教育に広く用いられている。SBMEにおいてフィードバックは非常に重要であるが、初心者学習者のスキル開発をサポートする最適なタイミングに関する研究では、相反する結果が得られている。
方法:32名の初心者医学生を、腰椎穿刺(LP)の試技中(同時)または試技後(終)にフィードバックを受けるようにランダムに割り付けた。参加者は、事前・事後の獲得テスト、保持・移行テストを行い、盲検化された2人の専門家評価者がLPチェックリストで採点した。また、認知的負荷と不安、および学習者のフィードバックに対する認識も評価された。
結果:同時フィードバックを受けた参加者は、事後テスト、保持テスト、移行テストにおいて、終点フィードバックを受けた参加者(M = 85.64, SE = 1.90)に比べ、ベースライン・レベルをコントロールしたうえで有意に高いLPチェックリスト得点(M = 91.54, SE = 1.90) を示した。認知負荷や不安感については、グループ間で差はなかった。自由回答では、同時フィードバックを受けた参加者は、終点フィードバックを受けた参加者に比べて、学習経験に対する満足感をより多く表明した。
結論:同時フィードバックは、初心者学習者に複雑な手順を教える際に終点フィードバックよりも優れている可能性があり、SBMEや臨床教育に取り入れれば、学習を改善する可能性がある。この知見を説明する基礎的な認知プロセスを解明するために、さらなる研究が必要である。