医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Identifying the response process validity of clinical vignette -type multiple choice questions: An eye-tracking study (Med Teach 2023)

Specian Junior FC, Santos TM, Sandars J, Amaral EM, Cecilio-Fernandes D. Identifying the response process validity of clinical vignette -type multiple choice questions: An eye-tracking study. Med Teach. 2023 Feb 25:1-7. Epub ahead of print.

背景:臨床ビネット型多肢選択問題(CV-MCQ)はアセスメントに広く用いられており、知識の統合度が低い問題と高い問題の回答プロセス妥当性(RPV)を特定することは不可欠である。知識の適用と統合のレベルが異なるCV-MCQに回答することは、認知的作業負荷の観点から理解することができ、これはアイトラッキングを用いることで確認することができる。本研究の目的は、アイトラッキングを用いて、知識の適用と統合のレベルの異なるCV-MCQの認知的作業負荷とRPVを明らかにすることである。

方法:医学部4年生14名が、低レベルと高レベルの複雑さ(知識の適用と統合)に等しく分けられた40のCV-MCQを用いたテストに回答した。認知的作業負荷は、画面ベースのアイトラッキングを用いて、関心領域ごとの固定回数と再訪問回数を測定した。

結果:複雑度の高い問題(M = 121.74)は、複雑度の低い問題(M = 51.94)に比べて認知作業量が多く、また、問題に正しく答えた参加者(M = 79.36)に比べて、不正答の参加者(M=94.31)で認知作業量が多いことが分かった。

結論:アイトラッキングは、CV-MCQのRPVを特定するための有用かつ実用的なアプローチとなる可能性がある。この手法は、CV-MCQの設計・開発の改善や、教育・学習へのフィードバックに利用することができる。