医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Workplace-based assessments -articulating the playbook (Med Educ 2023)

Tahim A, Gill D, Bezemer J. Workplace-based assessments -articulating the playbook. Med Educ. 2023 Mar 15. Epub ahead of print.

背景:workplace-based assessment (WBA)は、世界の医学教育で広く使用されている学習記録装置である。医学教育カリキュラムのなかで定着しており、WBAを研究する文献が数多く存在するにもかかわらず、WBAが実際にどのように行われるかは、まだ十分に理解されていない。我々は、構成主義の立場から、自然主義的な探究に基づく原則を用い、ゴフマンの自己提示のための演劇的アナロジーに基づく理論的フレームワークから、職場におけるこれらの評価を検討し、質的研究方法を用いて、学習者がそれを完了する際に何が起こっているかを明確にする。

方法:学習者は、1つの教育病院から自発的に研究への参加を呼びかけられた。データは、WBAのフィールドノートによる観察、オーディオビジュアルによる記録、および学習者とのインタビューを通じて、その場で作成した。

結果:6人の学習者のデータを分析した結果、一連の一般原則、つまりWBAのプレイブックが明らかになった。(1)進歩した印象を保つ、(2)個々のプロフィールの信憑性を管理する、(3)評価者の顔をつぶさない、(4)努力効率の良い方法でプロフィールを完成させる、この4つの原則は暗黙の了解で書かれていない、非公式なもので、学習者はそれらを適用してWBAプロフィールを完成させた。これらの原則を守ることで、学習者は文書が作成された当時の世界における自分の社会的立場を理解していることを表現した。

結論:この論文は、WBAを生きた経験として、またWBA文書を社会的空間として捉え、学習者がプロフォーマの読者の前で社会的パフォーマンスを行うことの価値を認めている。このような解釈は、学習者が現実の世界でWBAを受け、記録する際に起こることをよりよく表現し、WBAを学習者中心、学習者主導、意味づけの現象であると認識するものである。このように、解釈と意味の記録として、WBAプロセスの主観的な性質は、覆い隠すべき弱点ではなく、活用されるべき強みになる。