医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

How does a move towards a coaching approach impact the delivery of written feedback in undergraduate clinical education? (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2021)

Roberts A, Jellicoe M, Fox K. How does a move towards a coaching approach impact the delivery of written feedback in undergraduate clinical education? Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2021 Sep 14. Epub ahead of print.

背景:フィードバックの取り込みは、学習者と教育者の間の相互作用に依存する Winstone (Educ Psychol 52: 17-37, 2017)。feedforward approachを用いてコーチングするフィードバックは、より個人的で感情的なリテラシーを持つと考えられる Bussey (Bull R Coll Surg Engl 99: 180-182, 2017)、Hattie (Rev Educ Res 77: 81-112, 2007)。臨床教育環境では多くのフィードバックのモードが採用されているが、同様の臨床状況に遭遇するまでにかなりの時間が経過する可能性があるため、フィードバック談話の構成要素として、書面によるフィードバックは特に重要である。実際には、時間的な制約から、長いコーチングフィードバックではなく、簡潔で説明的な書面によるフィードバックが行われることが多い。本研究の目的は、倫理観の変化とスタッフの育成によって、臨床歯科チューターが書面によるフィードバックにコーチング的アプローチを利用するようになるかどうかを探ることである。

方法:2つのタイムポイントで、書面によるフィードバックを、記述的、評価的、コーチング的アプローチのいずれかに分類した。2017年から2019年までのデータを横断的に調べ、実践に変化があったかどうか、また使用された言語の感情的性質に変化があったかどうかを調べた。

結果:フィードバックは、コーチングの方向に大きく進み、記述的なアプローチから離れた。全体的に、よりポジティブな言葉の使用へのシフトが見られたが、これは評価的なフィードバックのカテゴリーの変化にのみ起因するものであった。記述的なフィードバックでは一般的に中立的な言葉が使われ、コーチングのフィードバックではわずかに肯定的な言葉が使われた。どちらのカテゴリーも、評価的なフィードバックに比べて、感情的な表現が有意に少なかった。

結論:これらのデータは、フィードバックの取り込みと活用を促進するようなフィードバックアプローチと言語への移行を示している。