医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Goal co-construction and dialogue in an internal medicine longitudinal coaching program (Med Educ 2022)

Farrell L, Cuncic C, Hartford W, Hatala R, Ajjawi R. Goal co-construction and dialogue in an internal medicine longitudinal coaching program. Med Educ. 2022 Oct 1. Epub ahead of print.

背景:レジデンシー・プログラムにおける縦断的コーチングは一般的になりつつあり、コーチとレジデントの間で反復的かつ協力的な話し合いを行い、目標を共有することが求められている。しかし、コーチングの会話のなかで、時間の経過とともにどのように目標開発が展開されるのか、また、これらの会話がどのような効果をもたらすのかについては、ほとんど分かっていない。そこで、我々は、レジデントと教員のコーチング関係における目標開発の対話を分析することで、現在のコーチング理論を構築した。

方法:本研究は、解釈的記述法を用いた質的研究である。8名の内科コーチとレジデントのdyadsが、1年間にわたるコーチング・ミーティングの録音に同意した。ミーティングと個人面接の記録は、目標の共構築を感化的概念としてテーマ分析された。

結果:以下の2つのテーマが抽出された。(1) コーチング・ミーティングで話し合われた目標の内容は、レジデントとしてのあり方に焦点が当てられており、直接患者をケアするうえでの課題についての議論はほとんどなかった。 (2) 目標の共同構築は、目標の優先順位付けや新しい目標の共同構築というよりも、主に目標の達成方法について行われていた。

結論:コーチとレジデントの関係における目標開発の分析では、直接患者ケアを改善する方法よりも、レジデントとしてどのように管理するかということに会話が主に集中した。これは、アカデミック・コーチングが臨床業務とは別に、レジデントのプロフェッショナル・アイデンティティの発達に焦点をあてる場を提供しているためであると思われる。今後は、臨床能力とプロフェッショナル・アイデンティティ形成の両方に関する共同調節と内省を確実にするために、縦断的なコーチングの会話をいかに最適化するかに焦点を当てるべきである。