医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

"As an ethnic minority, you just have to work twice as hard." Experiences and motivation of ethnic minority students in medical education (Perspect Med Educ 2021)

Isik U, Wouters A, Verdonk P, Croiset G, Kusurkar RA. "As an ethnic minority, you just have to work twice as hard." Experiences and motivation of ethnic minority students in medical education. Perspect Med Educ. 2021 Sep 13. Epub ahead of print.

背景:医療従事者にethnic minorityを十分に代表させることは、多様な患者グループに公平な医療を提供するために極めて重要である。そのためには、ethnic minorityの医学生を採用し、彼らが医学研究を順調に修了できるような対策を講じる必要がある。本論文では、self-determination theoryとintersectionalityに基づいて、ethnic minorityの医学生の経験を、ジェンダーやその他の差異のカテゴリーとの交差の中で探り、それらが学生のモチベーションにどのように関係するかを検討する。

方法:探索的で質的な研究をデザインした。2016年12月から2017年5月にかけて、26名のethnic minorityの学生を対象に6つのフォーカスグループを実施した。データ内のテーマを特定し、分析し、報告するためにテーマ分析を行った。

結果:調査結果は、3つの主要なテーマに分類された:学生自身の学習選択や家族の役割を含む動機形成における自律性の役割、所属していないという感情を含む学習環境における相互作用/「他者化 (othering)」、ethnic minorityの背景やジェンダーとethnicityに基づく「他者」であることとの交わり。

結論:ethnic minorityの学生は、一般的に事前の医療ネットワークを持っておらず、共感できるロールモデルを必要としている。例えば、ethnic minority出身の専門家が教育現場で指導的役割を果たすなど、医学教育の一連の流れの中で少数民族ロールモデルをより多く確保し、学生の目に触れるようにすることが推奨される。また、教育現場では、学生やスタッフがethnicity関連の違いについて話し合えるような文化を作ることが必要である。