医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Preparing future general practitioners: the effects of individual, familial, and institutional characteristics (BMC Med Educ 2023)

Su Q, Hu D, Lin X, Zhao T. Preparing future general practitioners: the effects of individual, familial, and institutional characteristics. BMC Med Educ. 2023;23:850.

背景:将来の予測不可能なパンデミック危機、特に中国の広大で多様な草の根レベルの人口を守るための地域ベースの医療サービス(community-based health services; CBHS)レベルでは、generap practitioners(GPs)の必要性が大幅に高まっている。したがって、中国の医学生のGPキャリア選択とCBHSへのコミットメントに影響を与える要因を理解することは極めて重要である。

方法:本研究では、全国で収集した自己記入データを活用し、3,438人の医学生を対象にロジスティック回帰を行った。まず、アウトカム変数と独立変数の記述統計が提供された。次に、個人特性を加えることから始め、家族特性、施設特性を加えて、段階的ロジスティック回帰モデルを構築した。最後に、有意な限界効果があるかどうかをさらに評価するために事後推定を行った。

結果:その結果、女子学生は男子学生に比べて、GPキャリアを選択する可能性が24%低かったが、CBHSにコミットする可能性は1.25倍高かった。さらに、GPを志向する専攻の学生は、臨床医学を専攻する学生よりも、それぞれGPのキャリアを選択し、CBHSにコミットする可能性が高かった。さらに、年収や母親の教育レベルなどの家族的特性は、CBHSへのコミットメントのみを有意に予測した。注目すべきは、GPのキャリアの選択とCBHSへのコミットメントにおいて、地域による性差が観察されたことである。

結論:医学生のGPキャリア選択に影響を与える要因を理解することは、医学教育関係者がGP志向の専攻に多くの医学生を惹きつけるために、どのように情報に基づいた意思決定を行うことができるかを明らかにするものであり、ひいては、より多くのGP専門家を育成し、国のGP需要を満たすことにつながる。さらに、医学生のCBHSへのコミットメントに影響を与える要因を理解することで、政策立案者は、医学生の草の根レベルの医療機関へのモチベーションを高め、多くの住民の健康のゲートキーパーとしてCBHSに専念するための有益な政策を立案することができる。