医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Steinberg E, Marsch S, Yanagida T, Dörrenbächer-Ulrich L, Pfeiffer C, Bührle P, Schwarz L, Auer U, Kleinsorgen C, Perels F. Development and validation of the Workplace Learning Inventory in Health Sciences Education: a multimethod study. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Nov 8. Epub ahead of print.

背景:健康科学の学生は、臨床実習の学習に関して多くの課題に直面している。この重要な段階における学生のニーズに対応するためには、学生の学習についてよりよく理解する必要がある。自己調整学習の理論は、学習の包括的な見方を提供し、さらなる研究の基礎となりうる。前臨床期の学問的学習における自己調整学習を評価する尺度は存在する。しかし、職場での学習についてはそのような尺度はない。本研究の目的は、職場学習の調査において、研究者が研究課題に関連する尺度を選択できるような包括的な目録を提供することである。したがって、本研究の目的は、健康科学教育における卒前生の職場学習を4つの領域(認知、動機づけ、感情、文脈)の2つのレベル(学習過程レベルとメタレベル)で評価するための尺度を開発し、検証することである。

方法:研究1は、指標を特定し、項目を開発するための質的多方法研究である。学生、教師、研究者の視点を統合し、文献レビュー、インタビュー、総合、項目開発、専門家レビュー、認知的予備テストの6つのステップを含む。この研究により、両レベルの各領域の尺度が得られた。研究2は、計量心理学的特性を評価するための定量的研究である。

結果:その結果、31の尺度それぞれについて、一次元性、信頼性、妥当性の点で許容できる値が示された。

結論:新しく開発された「職場学習目録」は包括的であり、尺度は職場学習に関連し、また短いので職場環境での実施が可能である。質問票開発の厳格なプロセスは、尺度の妥当性に寄与している。職場学習目録を提供することで、教育心理学の観点から健康科学教育における職場学習の研究が促進されることを期待している。