医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Using MCQ response certainty to determine how aspects of self-monitoring develop through a medical course (Med Educ 2023)

Tweed M, Willink R, Wilkinson TJ. Using MCQ response certainty to determine how aspects of self-monitoring develop through a medical course. Med Educ. 2023 Nov 6. Epub ahead of print.

背景:臨床判断の自己モニタリングは、医療従事者の実践に不可欠である。評価項目に対する回答の確実性を利用することで、医学生による臨床判断のセルフモニタリングを経時的に追跡することが可能となる。本研究では、多肢選択問題(MCQ)の回答の確実性と正しさに基づいて、洞察力、安全性、効率性の側面をどのように評価できるかを紹介する。また、これらの尺度が経時的にどのように変化するかを示す。

方法:年2回実施されるMCQプログレス・テストの各回答について、医学生はその正しさの確信度を記入した。洞察力のある学生であれば、より確実性の高い解答を正解とする可能性が高い。安全な学生は、確実性の高い解答を高い確率で正解すると考えられる。効率的な生徒は、確実性がない場合、正しい確率が十分に低いと予想される。このシステムは第一原理とある学生コホートのデータを使って開発された。その後、独立した検証サンプルとして、2番目のコホートのデータセットを使用した。

結果:セルフ・モニタリングの様相のパターンは、両コホートとも同様であった。ほぼすべての生徒が、すべてのテストで洞察力の基準を満たしていた。安全性については、ほとんどの生徒が未確定であった。安全性に関して明確な結果が得られた場合、安全性の欠如はコースの中盤で最も多く、一方、安全性の存在はそれ以降に増加した。効率性については、ほとんどの生徒が基準を満たしており、コースの中盤に最も多く見られたが、後半になると効率性が欠如する傾向が強まった。

結論:コース全体を通して、学生は安心できるレベルの洞察力を示した。この結果は、学生が安全性と効率性のバランスを取っている可能性を示唆している。これは、生徒が意思決定の肯定的な意味合いを否定的な意味合いより先に学ぶことで、当初はより効率的であるが、後にはより慎重でより安全であることが説明できるかもしれない。