医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Measuring informal workplace learning outcomes in residency training: a validation study (BMC Med Educ 2023)

Heim M, Schulz CM, Schneider F, Berberat PO, Gartmeier M, Schick K. Measuring informal workplace learning outcomes in residency training: a validation study. BMC Med Educ. 2023;23:549.

背景:インフォーマルな職場学習(WPL)には具体的な学習目標がなく、責任ある監督者なしに行われるため、学習成果の評価が困難である。大学や学校で知られるようなフォーマルな学習状況はこの文脈には存在せず、学習目標と達成度に関する従来の評価は不可能である。職場におけるインフォーマルな学習は重要であり、医学教育におけるインフォーマルな学習成果の評価は、まだ十分に研究されていない分野である。本研究の目的は、もともとソーシャルワーカー向けに開発されたインフォーマルWPL質問票を、研修医研修におけるインフォーマルWPLによる学習成果を評価するために適応させ、検証することである。

方法:合計528人のレジデント(n = 339人、女性、年齢:M = 29.79; SD = 3.37歳)が、インフォーマルWPLの成果に関する適応された質問票と、医学におけるコンピテンシーを評価するためのフライブルク質問票(すなわち、医学的知識、コミュニケーション、学識)に回答した。基礎となる因子構造を決定するために、探索的因子分析を用いた。因子の信頼性はMcDonaldのωを用いて検証し、因子とフライブルク質問票の3つの下位尺度との相関はSpearmanのrho相関係数を用いて検証した。構成概念妥当性を検討するため、structural equation modelを計算し、医療コンピテンシーとインフォーマル学習の成果との関係を検討した。

結果:探索的因子分析の結果、データに最も適合する4因子の解が得られた。4因子(GLO-CD:一般的学習成果-能力開発、GLO-R:一般的学習成果-内省、JSLO:職務に特化した学習成果、OLLO:組織的学習成果)の得点はすべて良好な内的一貫性を示した(Ω≥0.69)。structural equation modelは、「医学的専門知識」が職場における非公式学習の4因子すべてに影響を与えることを示した。「奨学金」は、GLO-CDとGLO-Rを予測するようであった。

結論:われわれの4因子モデルは、レジデント研修に関連したインフォーマルWPLの有意な決定因子を明らかにした。したがって、この評価尺度は、レジデント期間中の医学教育という広範な文脈におけるインフォーマルWPLを評価する最初の有望な試みであり、その構成概念妥当性を支持するものである。