医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Locally adapting generic rubrics for the implementation of outcome-based medical education: a mixed-methods approach (BMC Med Educ 2022)

Kondo T, Nishigori H, van der Vleuten C. Locally adapting generic rubrics for the implementation of outcome-based medical education: a mixed-methods approach. BMC Med Educ. 2022;22:262.

背景:アウトカムベースの医学教育(OBE)において、コンピテンシーを評価するためにルーブリックが頻繁に使用されている。ルーブリックを用いた評価システムの導入は、通常、様々なステークホルダーとのプロジェクトに何年も関与することで実現される。しかし、OBEに新規参入する国や専門分野では、より迅速で簡素化されたプロセスが求められる。2019年3月、日本ではレジデントを対象とした9つのコンピテンシーコンピテンシージェネリック・ルーブリックが導入された。我々は、これらのジェネリック・ルーブリックの現地適応と評価者への影響について調査した。

方法:本研究は3つのステップを踏んだ。まず、ジェネリック・ルーブリックを現地で適応させた。次に、このルーブリックの現地適用による効果を調べるために、混合法による研究を行った。第2段階として、現地で作成した指導医用アセスメントシートとジェネリック・ルーブリックの得点の相関を検討した。ステップ3では、指導医へのインタビューを実施した。本研究は、名古屋大学総合内科で実施された。第1ステップでは、医学教育センターおよび他の診療科の医師、事務員、レジデントが参加した.第二段階、第三段階は総合内科の指導医が参加した。

結果:現地に適合した評価システムを開発し、7ヶ月で実施した。指導医が記入したジェネリック・ルーブリックと適合した評価ツールの得点は、主に他のツールで評価した項目と比較して、いくつかの項目で良い相関を示した。また、参加者へのインタビューから、現地での適応により認知的負荷が軽減され、一貫した評価が可能となり、コメントの記入が増え、指導への反映が促進されたことが明らかになった。

結論:この適応プロセスは、OBE導入の最初の一歩として有効な方法である。また、現地適応は、ジェネリック・ルーブリックを直接使用するよりも利点がある。