医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

It's "not black and white": Students' perceptions of "altruism" content in preclinical medical education (Med Teach 2023)

Armitage JS, Nash SP, Hanson JT. It's "not black and white": Students' perceptions of "altruism" content in preclinical medical education. Med Teach. 2023 Aug 4:1-6. Epub ahead of print.

背景:本研究では、UTヘルス・サンアントニオ・ロング医科大学(LSOM)の「医学・身体・社会」(Medicine, Body, and Society; MBS)と題された前臨床縦断コースにおいて、学生がステークホルダーとして行動・社会科学(behavioral and social science; BSS)の内容をどのように捉えているかを調査した。「利他主義」やその他の非生物医学的目標に関連する成功と課題についての学生の認識を示す。

方法:MBSのコース評価データの質的テーマ分析を行った。2人の研究者が独立して最初のコーディングを行い、その後、コードを修正するための評価者間信頼性チェックを行い、最終的にMAXQDAによる語彙検索を行い、3つのテーマを絞り込んだ。

結果:3つのメジャーなテーマが現れた。(1) 学生は教育学的選好を共有し、物語を強く支持していた。(2) 学生は、アイデンティティと結びついたモジュール内容の欠陥を発見した。(3) 学生は、BSSの内容を「ソフト」「主観的」「サイロ化された」と分類し、コースにおけるBSSの役割を混乱させた。

結論:前臨床医学教育において、BSSの内容に沿った利他主義を推進することは、依然として課題である。前臨床カリキュラムにおけるコンピテンシーの問題をより深く理解し、解決するためには、学習者中心の枠組みで学生評価をより詳細に検討することが鍵となる。