Lee B, Park SY. Curriculum development on the human rights of people with disabilities for future medical education: using a modified Delphi. BMC Med Educ. 2021;21:548.
背景：医師が障害者に効果的な医療サービスを提供するためには、障害者に対する理解に加えて、障害の種類に応じた健康問題に対処するために必要な知識、態度、技術的能力が必要である。そのためには、メディカルスクール在学中に障害者に関する教育を行い、障害者と頻繁に接することが必要である。そこで、本研究では、医師の障害者に対する理解を深めるための体系的な医学教育カリキュラムを開発することを目的とした。
方法：著者らは、系統的な文献調査を行い、教育内容やカリキュラムの基本的な枠組みを作成・検証した。また、教育テーマの妥当性や必要性を評価するために、デルファイ法を用いて2つの調査票を作成した。内容的妥当性の比率が最小値以上の項目を有効とした。調査パネルは、障害者と関わる、学術的な専門家と医療従事者で構成された。調査は、基礎コースと上級コースの2回行い、13～16名の回答者が参加した。
結果：著者らは、「基礎入門コース」に13のトピックを選び、障害者に関する学生の知識の向上に焦点を当てた、障害者の健康権に関する一般的な教育内容を盛りこんだ。また、「障害のある患者のケアとコミュニケーションコース」では、障害のある患者との面接やコミュニケーションについての理解を深めることを目的として、12のトピックを選定した。
結論：韓国ではこれまで、医学カリキュラムにおいて障害はほとんど注目されていなかった。本研究で開発されたカリキュラムは、今後の医学教育の方向性を示し、障害者の健康権を促進する教育のための具体的な支援計画を策定するための予備的なデータを提供するものである。
