医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

An Innovative Approach for Integrating Mandatory, Longitudinal Spirituality Training Into the Medical School Curriculum (Acad Med 2021)

Fleenor DW, Atkinson HG, Karani R, Lerner S, Leisman S, Marin D. An Innovative Approach for Integrating Mandatory, Longitudinal Spirituality Training Into the Medical School Curriculum. Acad Med. 2021 Nov 2. Epub ahead of print.

背景:ほとんどのアメリカ人は、自分が宗教的またはスピリチュアルであると答えており、医療従事者と関わる際に自分の信念を考慮してもらいたいと考えているが、医学教育と医療行為の間にはギャップがある。健康の重要な社会的決定要因としてのスピリチュアリティの重要性を強調するために、ニューヨークのIcahn School of Medicine at Mount Sinaiのチームは、卒前の医学教育カリキュラムの4年間すべてに、学生のための必須のスピリチュアリティと健康に関するトレーニングを開発した。

方法:2014年から2020年にかけて、少人数の教員が革新的なアプローチをとり、教育機関全体から専門家間の教員やスタッフを巻き込んで取り組みを開始し、チームを拡大した。チームは反復的なプロセスを用いて、4つの異なるモジュールをメディカルスクールの4年間にわたる既存の4つのコースに統合した。

結果:大多数の学生が、スピリチュアリティと健康のカリキュラムは、トレーニングや専門性の向上に役立つと感じていた。彼らは、患者のスピリチュアルなニーズの重要性を理解し、患者ケアにおいてchaplainが果たす役割や相談の始め方について学ぶことを評価し、スピリチュアルな病歴聴取を患者ケアに取り入れるつもりであることを示した。プロセスに関しては、3つの重要な要素、すなわち、専門家間のチームを設立すること、反復的なプロセスを経ること、既存のコースにカリキュラムを統合することが、モジュールの設計と実施に不可欠であった。

結論:チームは、学習内容を標準化された特定のコンピテンシーに結びつけるとともに、コンピテンシーの達成度を示すより具体的なパフォーマンス評価を開発することで、カリキュラムの拡大と改善を目指していく。また、スピリチュアリティをヘルスケアの実践に取り入れ、スピリチュアリティと健康に関するカリキュラムを卒後医学教育に拡大していけるよう、専門家の育成を強化していくだろう。