医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Digital health competencies in medical school education: a scoping review and Delphi method study (BMC Med Educ 2022)

Khurana MP, Raaschou-Pedersen DE, Kurtzhals J, Bardram JE, Ostrowski SR, Bundgaard JS. Digital health competencies in medical school education: a scoping review and Delphi method study. BMC Med Educ. 2022;22:129.

背景:医療分野におけるデジタルヘルスの巨大な可能性を実現するためには、デジタルヘルスが医学教育の一部として統合される必要がある。我々は、スコーピングレビューとDelphi法研究を通じて、医学生向けのデジタルヘルスカリキュラムにどのような知識、スキル、態度を盛りこむべきかを調査することを目的とした。

方法:医学教育に関連するデジタルヘルスに関する文献のスコーピングレビューを実施した。主要なトピックは、知識(事実、概念、情報)、スキル(タスクを遂行する能力)、態度(考え方や感じ方)の3つのサブカテゴリーに分けられた。その後、専門家がデジタルヘルスのトピックを医学生のカリキュラムに含めるべきかどうか、1(強く反対)から5(強く賛成)までの尺度で2ラウンドにわたって評価する修正Delphi法を使用した。医学生向けのデジタルヘルスカリキュラムに含めることが重要なトピックを特定するために、事前に定義されたカットオフ値≧4が用いられた。

結果:スコーピングレビューの結果、合計113の論文が含まれ、65の関連するトピックが抽出され、質問紙に含まれた。トピックは18人の専門家によって評価され、全員が2回のアンケートを完了した。その結果、3つのサブカテゴリーで合計40のトピックが、事前に定義された評価カットオフ値である4以上を満たした。

結論:専門家パネルは、医学生が教えるべき知識、スキル、態度のうち、40の重要なデジタルヘルスのトピックを特定した。これらは、今後のデジタルヘルスカリキュラムの開発において、医学教育者の指針となりうるものである。