医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Temporal changes in medical student perceptions of their clinical skills and needs using a repeated self-assessment instrument (BMC Med Educ 2021)

Barlow P, Humble R, Shibli-Rahhal A. Temporal changes in medical student perceptions of their clinical skills and needs using a repeated self-assessment instrument. BMC Med Educ. 2021;21:550.

背景:医学生の臨床技能トレーニングに対するニーズは時間の経過とともに変化する可能性があるが、このテーマに関するデータは限られている。本研究では、メディカルスクール在学中の臨床ローテーションにおける繰り返しの自己評価を用いて、臨床技能の成長に関する学生の認識を評価した。

方法:自己評価は、学生がコア・クリニカル・ローテーションの年に進むにつれ、各クリニカル・ローテーションで記入した。自己評価は、臨床技能の5つのカテゴリーについて、学生が自分のパフォーマンスを「期待以下」「期待通り」「期待以上」と評価する質問と、長所と課題に関する自由記述の質問で構成されていた。第1四半期 (n = 136)と第3四半期 (n = 118)の間の自己評価の変化を、Sign Testを用いた時点間の回答の変化のmatched-pair analysisにより評価した。また、自由形式の質問に対する学生の回答から、主なテーマを特定した。

結果:Oral Presentation SkillsとDifferential Diagnosisについては、それぞれ22.4%と13.3%の学生が自己評価を高めていた。一方、患者とのコミュニケーションでは、自己評価のネガティブな変化が最も大きかった。また、Patient Interactionは最も得意とする分野であり、Knowledge and Organizationは最も障害となる分野として挙げられた。

結論:学生は、前臨床カリキュラムではあまり強調されていないいくつかのコアな臨床技能について、能力の認識に肯定的な変化を示した。しかし、コミュニケーションスキルに関しては、学生の認識するコンピテンスは低下していた。これは、当初の過大評価を反映しているのか、あるいは、ニーズや関心が競合することによる真の低下を反映しているのかもしれない。このような変化のパターンは、臨床ローテーション中の学生のニーズを予測して対処するための長期的なカリキュラムの設計に役立つと考えられる。例えば、カリキュラムの初期段階ではプレゼンテーションスキルと鑑別診断に重点を置き、後期段階ではコミュニケーションスキルに重点を置くなどである。