Folger D, Merenmies J, Sjöberg L, Pyörälä E. Hurdles for adopting mobile learning devices at the outset of clinical courses. BMC Med Educ. 2021;21:594.
背景:モバイルデバイスは、医学生に、医療情報や教育資源への容易なアクセスを提供する。2013年以降、我々は医学生のiPadの学習利用状況を追跡してきた。2016年には、臨床コースに入る医学生の最初のコホートにおいて、モバイルデバイスの使用率が顕著に低下していることを確認した。本研究の目的は、臨床コースの最初にモバイルデバイスを導入する際のハードルを明らかにすることであった。
方法:学生が自分自身や臨床教員のiPad使用能力をどのように評価しているか、学習課題がデジタル学習にどのように適合しているか、学生が患者に対してどのようにモバイルデバイスを使用しているかを調べた。データは、3つの連続した学生コホートの間でオンライン調査によって収集され、closed-questionsの分布が分析された。
結果:回答率は67.5%から90.8%であった。学生は、自分自身のiPad使用能力を「良い」または「優れている」と評価し、教師のスキルを「比較的低い」と評価したうえで、よりデジタル化された課題を望んでいた。学生たちは、臨床現場でのモバイルデバイスの使用に否定的な態度を示し、患者との接触に使用することを躊躇していた。教師は、適切な品質の医療アプリケーションを学生に伝えることはほとんどなかった。
結論:臨床現場の教師は、モバイルデバイスに適した学習環境や課題を実施するためのサポートやトレーニングが必要である。学生も教員も、モバイル機器を患者に使用することに不安を感じていた。臨床コースにおけるデジタル化の可能性を最大限に発揮するためには、学生と一緒になってその使用方法を開発する必要がある。