医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Professional identity formation of medical students: A mixed-methods study in a hierarchical and collectivist culture (BMC Med Educ 2022)

Findyartini A, Greviana N, Felaza E, Faruqi M, Zahratul Afifah T, Auliya Firdausy M. Professional identity formation of medical students: A mixed-methods study in a hierarchical and collectivist culture. BMC Med Educ. 2022;22:443.

背景:プロフェッショナル・アイデンティティ形成(PIF)は、医学教育における専門的能力の開発に不可欠な部分として認識されている。PIFはダイナミックなものであり、縦断的に発生し、社会化の過程に没頭することが必要である。したがって、医学教育においては、PIFを促進するような学習環境を醸成することが重要である。本研究では、様々な学習段階にある医学生を対象にPIFを評価し、その寄与因子と阻害因子とともに、PIFに対する彼らの認識を探求することを目的とした。

方法:本研究は、インドネシアの卒前医学生(2年、4年、6年)・卒後医学生を対象に、sequential explanatory approachを用いた混合方法論研究である。PIFに関する質問票を作成し、対象者を調査した。質問票の実施後、一連のFGDを行った。定量的分析とテーマ分析を順次行った。

結果:合計433名の回答者がアンケートに回答した。「専門的役割の認識と内面化」と「専門的行動における自己統制」の下位尺度には、対象者間で統計的に有意な差があり、上級生ほど高いスコアを示した。合計6回のFGDを実施した。その結果、PIFは複雑でダイナミック、かつ縦断的な医師への道のりであり、学生のモチベーションと密接に関係していることが明らかになった。また、医学教育におけるPIFには、内的要因(学生の価値観、属性、個人的状況)と外的要因(カリキュラム、学習環境、職場ベースの学習、外部からの期待)の両方の重要性がFGDで浮き彫りにされた。

結論:高レベルの学生はPIFのいくつかの側面でより高いスコアを示す。このことは、内的・外的要因に影響されるダイナミックなプロセスであるPIFをモニターするために、質問紙を利用する可能性があることを示唆している。医学生PIFを意識し、PIFの段階を振り返ることは、PIFのプロセスにおいて重要であると思われる。